診察終了!! 今日は久々の臨床症例報告、長文ですよ〜(^O^)

【今日の印象的な診察〜過度な心配は引き算、信頼は掛け算】

ご家族が末期がんとの診断で、現在入院中。

先日に胃を全部摘出される手術を受けられたばかりです。

初めて当院に来られた医療カウンセリングの際には、手術前ではありましたが、ご本人が入院中のため、ご家族が来院されました。

主治医からの絶望的な言葉に、かなりショックを受けられているようで、診察室でも度々号泣。

私が何を言ってもあまり伝わりません。(ネガティブ・モードにどっぷりはまられてましたので)

■今の日本における癌治療では、医師も患者に起こりうる最悪の出来事を伝える事になっているので、そのセリフを鵜呑みにしないこと(全員が必ずそうなるわけでは無い)。

■三大療法(手術・抗がん剤・放射線療法)以外の治療はまず効かないので、それ以外の方法で良くなることは、過度な希望的観測だと主治医からは必ず否定される事。

■その否定的な意見を信用し、頭の中で繰り返せば繰り返すほど、その現実が引き寄せられること。

■人は一人ずつ違うので、デ―タ通りにはならないこと。

そして、データに乗らずに良くなっている方がたくさんいる事実などをお話してカウンセリングは終了。入院中に最低限出来る健康法・食事法などもお伝えさせていただきました。

そして、先日手術が終わり、病院食がスタート。

そこで、今日はまだご本人は入院中のため、食事療法に関するカウンセリングを求めて再びご家族が来院されました。

患者さんご本人が、かなり食事療法を勉強されたようで、メニューの中から食べるものと、食べないものを決めておられるご様子。牛乳やお肉、卵の塊などは残されていたようです。それを見たご家族は、減少してくる体重も併せて気になり、無理やりにでも食べるようにとご本人に忠告。

ここで、衝突が始まりました。

また、運の悪い?ことに、ご家族はご家族で、ご本人とは考え方の異なる食事療法の本を読まれており、またまた意見が衝突。

患者様の体形や体質、性格など色々とお話を聞きますと、ご本人が選ばれている食事法が今は適切だと思うという私の意見を述べさせていただきました。それ以前にも、『治療法はよほど間違ったものでは無い限り、ご本人に決めさせてあげて下さい。ご本人の命ですから』というお話は伝えてありました。

いくら詳しく食事療法のご説明しても、やはりそれでは心配だと、ご家族の不安の悪循環が続きます。食事以外の治療においても、ご本人は抗がん剤は拒否したいが、ご家族はまた別の本から抗がん剤が良く効くと言う情報を得られていて、また衝突。結果として、私が何を言っても『でもね〜』『いや、今の病院の先生の意見ではね〜』『あの本ではね〜』の繰り返し。

私が『ご本人は抗がん剤を拒否されてるんでしょ。食事療法の方法も私の考えに近いんでしょ。じゃあ、これからあなたの意見で全部反対の事をやらせるんですか?』と、聞き返したところ『いやいや、とにかく心配で』と言うお答えが返ってきました。

そこで私は『今のあなたでは、ご本人が何を選択されても、とにかく全てが心配になるのだと思います。それは本人の免疫力や自然治癒力、生きる力や、突き詰めれば自分の意思で生きようとする権利の全てを信頼されて無いからではないのですか?

確かにやってみないと結果はわからないけれど、ご本人はすごくがんばられています。自分なりに自分の命を考え、ベストな選択をしようと一生懸命、勉強もされています。懸命に自分の命と向き合われているのです。

ご家族が心配されるのは当然ですが、必要以上の心配は本人のやる気を低下させ、結果的に病気以外に家族と言うストレス源も作ってしまいます。当然、免疫力も下がるので、これは引き算です。しかし、ここでご本人の意見を認め、信頼し、寄り添いながらサポートできれば、結果は足し算ではなく、掛け算になるんですよ。

言葉、行動、イメージ全てで、ご本人の人格や選択、自然治癒力を信頼し、出来る事を淡々とやりながら笑いにあふれる家庭生活を送る事。これがとても大切なことです。病気があってもなくても、この状態ならみんな幸せではないのですか?立場を逆に置き換えて、よく考えてみて下さい。「あなたが良いと思って真剣に選んだ治療法ならそれでいい。家族みんなで応援するから精一杯がんばって」って言われた方が嬉しいし、やる気も出て治る気もしませんか?』と、お伝えさせていただきました。

この『心配は引き算、信頼は掛け算』という言葉に響かれたらしく、『わかりました。帰ったらさっそく本人と話をして、全面的に協力することを伝えます。その上で、本人が最良の選択ができるよう、三浦先生にはアドバイスしてほしい』というお答えをいただきました。

やっと本当の意味での、当院の治療のスタートですね。

多くの患者様のお話をお伺いすると、この『ご家族や周囲からの心配のエネルギー』との付き合いが、大変な方も多いんですよね。みなさん良かれと思って出されるエネルギーなので、むげにも出来ないですから。自分はこういう治療をしたいけど、家族が心配するからと、本心とは違う治療を選ばれている患者さんもたくさん見てきました。

最終的には本人の決定なので仕方のないことですが、そのために残念なケースになったことも多数経験しています。家族を説得するのって、本当に難しいし、私の個人的な経験でも無理でした(今回のように、家族間の食い違いをまとめるのも、私の仕事の一つだとは自覚しておりますが、誰も悪者にせず、本人主導に持って行くのもなかなかむつかしくて・・・)

自然治癒力を発動するボタンは、医者にも家族にも押せず、ご本人にしか押せませんので、できるだけ納得のいく治療を受けていただきたいものです。そのために、良きアドバイスができるよう〜引き算を減らして掛け算を増やせるよう、つとめてまいりたいと思います。

しかし、癌=死、癌=三大療法しかない、という国をあげてのネガティブ・キャンペーンからくる強い思い込みを覆すのは大変ですな〜〜〜